そんな話をしていると、お酌に回っていた酒好が戻ってきて、銀次郎たちに注いで回った。
「金山社長はお強そうですね。」
「ワシですか。まあ、嫌いじゃないです。夜は、酒が自分の飯代わりですから。」
といって、ビールをグィっと飲み干した。
酒好さんが、お酌をしに来たので、風祭はワイングラスを差し出した。
「あら、風祭さんはワイン党ですか?」
「いやあ、呑むのは駄目なんですよ。
今日はこういう席ですからお付き合いしてますけど、家では全く飲まないんですよ。
だから、あまり注がないで下さい。
自分のペースでやりますから。
でも味は分かりますよ。
ワインソムリエ目指して勉強したこともありましたから。」
「そうなんですか。じゃ、ワインは詳しいのね。ここのワインはどお?」
「そうですね。失礼ですけど、そんなに良いワインじゃないですね。
まあ、味も若いし、その分渋みも無いから呑みやすいことは呑みやすいですけど、
1本1200円位が妥当なところじゃないですか。
これだったら、金山社長のアルゼンチンワインのほうがはるかにランクが上ですよ。」
「えっ。金山社長はワインを扱われているんですか?」
「まあね、アルゼンチンワインを輸入してますよ。」
本当は、錦糸町の桜井熊子から販売を頼まれているだけで、銀次郎のワインではない。
輸入元に銀次郎の会社名が印刷されているので、知らない人は銀次郎が輸入販売していると錯覚してしまう。
「金山社長。そのワイン私に売らせていただけません?」
「何処で売るの?」
「ここですよ。社長も聞いていたでしょう。
満天市場の話。
幕張のコンチネンタルホテルでプレオープンした時は、
2日間で24億満天売り上げたんですよ。
そんな市場が銀座に常設市場として、オープンするんですから、凄いことになりますよ。」
「えーですよ。やりましょう。」
銀次郎はかなり出来上がっており、いともあっさりと承諾した。
錦糸町と相談しなくていいんですか?
現金じゃなくて、満天という電子マネーなんですよ。
銀次郎は、酒が入ると気持ちが大きくなる。
酒好から、プラチナメンバーの話を持ちかけられると、
「よっしゃ、その話乗ってやるよ。任せてよ。何ぼいるの?」
「1000万だけど。」
「1000万でええの。ほなら、1週間も有れば大丈夫やな。」
酒好は小躍りして喜んだ。
『とうとう、私にも運が向いてきたわ。』
「小鳥遊(たかなし)さん、こっちへ来て!凄いのよ!」
「どうしたの。」
「金山社長が、満天市場にアルゼンチンワインを出してくれるって。
それに、1000万円出しても良いっておっしゃっているのよ。
凄いでしょう。」
「ほんとう。良かったわね。
貴方もこれでシルバーメンバーね。
おめでとう。
それじゃ直ぐに用紙を取ってくるわね。
酒好さんの推薦人には私がなっておくからね。
よろしくお願いしますね。」
と言って、小鳥遊は用紙を取に行った。
自分の下から、シルバーメンバーが出れば、
推薦人の小鳥遊にもたっぷりとボーナスが入る仕組みになっているから、
我が事のように喜ぶわけである。
銀次郎はなお調子に乗って、
「ワインは何ぼいるねん。1万でも2万でもあるさかい。
まかしとけってことよ。」
金有と風祭は、あっけに取られてただ笑うしかなかった。
第五章-第7話 会員互助会『満天倶楽部』(7)へ続く
銀次郎がここまでに使わされたお金の累計・・・1650万円


ただ、酔っ払ってたんだったら大変〜だ〜
僕知らない、っと。