風祭のお陰で会社の登記は無事に済んだ。
さあ、これから本格的に、朴ワールドの開幕と誰もが期待していた。
とりわけ、風祭の期待は大きい。
出来れば、競売で取り上げられてしまったビルを、
朴さんの力で取り戻せないかと目論んでいた。
賃貸にしたときの収支計算書やら必要な資料を取り揃え、朴に渡した。
親父さんと物件を見に来る約束まで取り付け、期待して待っていたが、
なんだかんだと理由をつけて現れなかった。
風祭も、朴に対して少なからず疑問を抱くようになった。
300万円の資本金も払い込んだのだから、本気で会社経営をする気なのだろうと、
誰もが思っていた。
ところが、会社の登記が済むと、朴の行動に変化が現れた。
不思議なことに、事務所を借りたというのに、誰も事務所に呼ばない。
会う時は、銀次郎の事務所か、喫茶店である。
朴の話に矛盾が見られるようになってきた。
結論は出さず、先送りする。これは前と変わらない。
「最初は、金山社長経由でやりますが、頃合いを見計らって直接やりましょう。」
などと裏取引を持ちかけてくる。
しょっちゅう韓国に行っているといって、電話が不通になることが多くなった。
流石に誰もが「おかしい?」と思うようになってきた。
150億ウオンの小切手の魔力もここにきて、急激に威光を失ってきた。
「おかしいじゃないですか。向こうから社長がボトラーを見学に来るからというので、
ホテルやら色々調べたのに、来る気配なんて全く無い。」
「お父さんと一緒にビルを見に来るといっていたけど、
約束の時間に来ないしおかしいんじゃない。」
「御徒町に管理ビルが2棟あるというので見に行ったけど、
2棟ともハイレックスとは関係なかったですよ。
汐留の30億で買ったというビルも登記はされて無かったですしね。」
次々と、ほころびが現れてくる。
「こりゃ、いっぱい食わされたなあ。」
「一寸待ってください。こんなことしたって、朴さんは何の得があるんですかね?」
「奴は、誇大妄想のところがあるんじゃないか。」
「俺達を相手に、会社ごっこをやっていたんだよ。」
「架空の話をでっち上げては、皆がどんな反応をするか楽しんでいたんじゃないの。」
「誰か、あの小切手が現金に換金されるか、
通帳に取り立て入金して記帳されたのを見た奴いるか?」
「紙なんて、銀行に回りさえしなければ、何ぼ切ったって怖くもねえや。」
「俺達を引っ掛けて、一儲け企んだんじゃないの。奴さん。」
「現金の入金が確認されなければ、出荷依頼をかけないというんで、
取り込みも出来なかったんで、諦めたんじゃないの。」
など、各自思い思いの感想を述べるのであった。
かくして、会社ごっこ屋朴大中は、銀次郎ワールドから去っていった。
第四章 完
引き続き第五章をお楽しみに!
銀次郎がここまでに使わされたお金の累計・・・1650万円


おもしろかったです!
次回の銀ちゃんワールドに期待です。
ポチポチ完了〜
自分なりに驚いています。
saineiさんのコメントが励みになっていたことは間違いありません。
有り難うございました。
第五章も頑張って書いていきますので、これからも応援よろしくお願いいたします。