「ボトリングは何処でやっていますか?調べていただけます。」
「年内には、自前のボトリング工場を建設するといってましたが、
今のところ委託工場でボトリングしています。
提携工場は4社有るんですが、主力工場は、静岡県の伊豆の国市にあります。」
「工場を見に行くこと出来ますか?」
「事前に言っていただければ、連絡を入れておきます。」
「そこから、横浜港までの運賃はいくらかかりますか?
こちらでも調べて、安いほうを使おうと思っています。
それで、コンテナ1車に正確に何本積めるかご連絡ください。」
「仕切り価格をもう少し何とかなりませんか。」
今にも発注を出しそうな勢いで、朴さんは色々な要求をしてきた。
そのたびに、各自がメーカーや運送会社に電話して応対に努めた。
そりゃあそうだ。
これが軌道に乗れば、表舞台メジャーデビューが約束されているのだから、
張り切らざるを得ない。
黄山は、朴さんを紹介したのは自分だと事あるごとにアピールしている。
風祭は、朴さんの秘書のごとく振舞った。
水玉は、金有を紹介したのは自分だと金有にくっついている。
150億ウオン小切手の威力は大したものだ。
皆、このチャンスに乗り遅れまいと必死なのである。
ところが、中々正式契約に至らないので、皆はイライラを募らせていた。
途中で、値段の件で韓国と折り合いが付かないと、朴が言ってきたときは、
銀次郎のほうが譲る形で何とか合意にこぎつけた。
「正月に韓国に帰って、正式な契約書に印鑑を貰ってきます。
第一回目の発注は2コンになると思います。」
「お願いしますよ。LCの入金が確認取れたら発送の手続きをとりますよ。」
韓国や中国の貿易については、正式な契約書があっても、反故にされることが多い。
慎重の上に慎重を重ねなければ荷物は渡せない。
喉から手が出るほど、お金は欲しかったが金有は必要以上に慎重に振舞った。
朴さんは家族とともに正月を韓国で過ごす為に、クリスマスの日に韓国に帰国した。
契約書は向こうにいる間に、貰ってきますからと言って旅立った。
電話の国際カードを持っている割には、ほとんど連絡も入らなかった。
1度だけ、国際電話をかけてきて、
ボトリング工場の周辺でホテルを探して料金を調べておいて欲しいとのことだった。
なんでも、先方の社長と見学に行って、
その日はホテルに泊まって親交を深めたい意向のようだ。
風祭は、ネットで検索し何時でも予約できるようファイリングをしておいた。
年が明けても、朴は中々韓国から帰ってこなかった。
正月も10日を過ぎて、ようやく銀次郎の事務所に顔を見せた。
向こうで風邪をこじらせて、昨日帰ってきたばかりだという。
契約書の印鑑を貰ってきたといって、
見せてくれたがハングルで書かれていて内容を理解できるものは誰もいなかった。
契約書はこの通り頂いてきたが、
採水場とボトリング工場を見て最終的にオーダーを出すのでそれまで待って欲しいという。
「おかしいな。」銀次郎は少し不安を覚えた。
「時間が掛かりすぎるでぇ〜。」
第四章-第6話 会社ごっこ(1)へ続く
銀次郎がここまでに使わされたお金の累計・・・1650万円


ポチポチしないと、罠にかけちゃうぞっ〜笑
気づくのが遅いですよね。
まあ、そんなキャラに仕立て上げてるのは、僕なんですけどね。