電話を受けて、黄山は小躍りして喜んだ。
黄山の顔は見る見る高揚して真っ赤になった。
受話器を戻すと、
「よっしゃぁ!!」と大きな声を出したので、
従業員は驚いて黄山を見た。
「社長やりましたね。」と声が掛かった。
「ありがとう。俺は本当に運が良い。」
黄山は名義を貸してくれた若社長に連絡を入れた。
「もしもし、黄山です。酒免取れました。社長のお陰です。
詳しくは夜ユックリお話します。
いつもの居酒屋で会いませんか。お待ちしています。」
若社長は自分のことのように喜んでくれた。
黄山は早速、その若社長から金を引き出す為の計画書作成の準備に取り掛かった。
今夜会うまでに、作らねばならない。
その晩、いつもの居酒屋に黄山と若社長の姿があった。
いつもはカウンターで時間を費やす2人だったが、今日は奥の座敷を予約してあった。
黄山に何か下心があるようだ。
ビールの中ジョッキを注文して、乾杯をした。
黄山は満面の笑みを浮かべて切り出した。
「社長のお陰です。社長の家のほうに足を向けて眠れませんよ。」
などとおべんちゃらを言う。
「社長。これ見てください。」
そう言って、黄山は先ほど完成したばかりの計画書を若社長の前に差し出した。
そこには、保証金6000万円、月間売上1億2000万円と書かれてあった。
大家とは、酒免が下りたら店を貸すという話が出来ていて、黄山はそれを待っていたのだった。
「黄山君。こんな数字で大丈夫なのかね。計画が甘すぎないかい。」
「社長大丈夫ですよ。周りの酒のディスカウンターを調べたんですけど、
私のやり方だったら絶対勝てます。粗利も15%取れます。」
実は、酒のディスカウンターは薄利多売で、
ほとんどが10%そこそこの粗利しか出せないのである。
ビールは安売りの目玉に使われるので、
ビールの比率が50%を超えるようだと、要注意と言われる。
「社長には、免許借り賃として月々80万円、
借入金の返済は月300万円24回払いでお返しします。」
保証金の6000万円をそっくり若社長に出させる魂胆である。
若社長は若社長で、
(6000万円の投資で年20%の金利か。2年で1200万円になる。
悪くはない話だな。それに免許貸し賃が毎月80万円入ってくる。
これは魅力的だ。)
いくら会社の社長と言えども、自由に使えるお金なんてたかが知れてる。
「間違いないんだろうね。黄山君。」
若社長は念を押した。
「男黄山 治。どんなことがあっても社長に迷惑を掛けるようなことはいたしません。」
といって、頭を床にこすり付けた。
大したパフォーマンスである。
「判ったよ、黄山君。君を信用するよ。国税の許可が下り次第振り込むよ。」
なんと、黄山は6000万円もの大金を若社長から出させる約束を取り付けたしまった。
黄山 浩はこんな具合に、いつの間にか他人から金を引き出させる名人なのである。
黄山はこの物語の中では、かなり重要な役割を果たしていますので、いずれ改めて紹介したいと思います。
次回は本編に戻ります。
銀次郎がここまでに使わされたお金の累計・・・800万円
第14話 再び、紹興酒(1)


クリック!クリック!笑
黄山浩はある意味すごいですね〜
こんな人に騙されたら怖いですけど
銀次郎がその後どうなったか楽しみにしてます
物語なので、どこかで懲らしめようと思ってます。
でもまだ当分は、悪運強そうです。