幾組かの夫婦が水玉邸を内覧に訪れたが、
交通のアクセスの不便さと値段の面で折り合いが付かなかった。
車で出かけるのには問題ないが、徒歩の場合最寄の駅まではバスというのがネックになっていた。
徒歩では最寄の私鉄駅まで40分ほど掛かったのである。
値段も若干高いと思われた。バブルがはじけて以降、土地神話は崩れ、
不動産価値は下落の一途をたどっていたが、
最近になって東京を中心に大都市の土地の値段は上昇傾向にあるが、
ドーナッツ化現象で近郊の値段は未だ底を売った気配が無いのも、
買い手を躊躇させる要因でもあった。
不動産屋に専任の依頼を出して既に、半年が過ぎようとしていた。
ようやく買い手が決まったが、希望価格より500万円ほど下回った。
いざ売れるとなると、水玉は銀次郎にお金を渡すのが惜しくなる。
水玉の脳裏には既に、謝礼金を渡すではなく、
お金を取られるという意識が芽生えていた。
なんとかして、銀次郎にお金を渡さないで乗り切る手立ては無いだろうか
と虫のいいことを考える水玉であった。
既に名義は銀次郎になっており、法律上は銀次郎のものだから、
水玉の考えは自分勝手であるが、そこのところは闇の世界の魑魅魍魎、
相手を陥れても自分だけは良くなりたい、助かりたいというスケベ根性は人一倍である。
銀次郎には、折角のお金だから有効に使いたい。
半分にしたら中途半端で何も出来ないからやる仕事が見つかるまでは
自分が管理するというようなことを言って、渡さなかった。
立飲み屋をやりたいといって、物件を見に行くが、あれこれと難癖をつけて断ってしまう。
そんなことが、何回か続き銀次郎も水玉に不信感を持つ。
「水玉さん、そりゃー無いじゃないの。
一体全体、あんさんは、店をやる気があるんでっか。」
「えーかげんにせーや。あんさんが飲み屋をやりたいちゅうからから、
わてら物件を探してまんねやで。」
「焼き鳥屋の大将かて、あの店なら大丈夫って太鼓判押しとるのに、
素人のあんさんに何が判るねん。」
「あんさん、屁理屈ばかり並べて、銭出すのが惜しゅうなったのんとちゃうか。」
「おーし判った。あんさんとはもう、手を組まん。顔も見とうない。」
とうとう仲たがいをしてしまった。
結果はどうあれ、水玉は銀次郎にお金を取られずに済んだのである。
それが良かったのか、悪かったのかは別にして、
水玉は決まった仕事も無いままブラブラと無為な時間を費やしているうちに、
手元のお金はたちどころに消えていくのであった。
いつしか、時間つぶしに立ち寄っていた、我々の事務所へも姿を見せなくなっていた。
銀次郎は、水玉のお金の当てが外れ、金策に走る日々を過ごすことになる。
水玉の悪行については、後日別の章立てで書くことにしょう。
第一話 水玉ストアー・水玉邸乗っ取り作戦(完)


ここ予備校ですよね?笑
とりあえず第一話、読み終えました。
おもしろかったです〜
また後日、うかがいます
saineiさん、いらっしゃいます。
当予備校へようこそ、おいでくださいました。
こちらは遅刻厳しくありません。
登校も自由です。
ぜひ、銀次郎と友達(?)になってください。
よろしくお願いします。
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読破力のまるでない<根性なし>のいわろうは、やっとココまで参りました。取り敢えず<ポチッ!>してから帰ります。
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